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マンション大規模修繕への対応|リフォーム業者の参入と受注のポイント

戸建て中心のリフォーム会社にとって、数千万円から数億円規模に達することもあるマンション大規模修繕は、事業の柱になり得る市場です。

ただし発注者は施主様個人ではなく管理組合であり、総会決議による合意形成、複数業者での比較検討、居住者が生活するなかでの長期工事など、個人向けリフォームとは大きく異なる進め方が求められます。本記事では、大規模修繕の基本的な流れと、リフォーム業者が参入し受注につなげるためのポイントを整理します。

大規模修繕の基本と主な工事内容

分譲マンションでは、管理組合が長期修繕計画を策定し、その計画に基づいて大規模修繕を実施します。一般的には築12〜15年で1回目を迎え、以降も周期的に行われます。

工事費用は、区分所有者が月々積み立てる修繕積立金から支出されるのが基本です。積立金が不足している場合は一時金の徴収や借入が必要になることもあり、予算の制約が工事範囲の議論に影響します。

主な工事内容は次のとおりです。

工事箇所内容
外壁塗装・タイル補修・シーリング打ち替え
屋上・ベランダ防水工事
鉄部手すり・扉などの塗装・交換
共用部廊下・エントランス・駐車場など
給排水・電気設備配管更新・ポンプ交換・共用部照明・受電設備

築年数が進むにつれて、設備の更新やバリアフリー化といった付随的な工事も増えていきます。

3つの発注方式と営業アプローチ

大規模修繕の発注方式は大きく3つに分かれ、どの方式かによって自社の営業相手と提案の力点が変わります。

図1 大規模修繕の3つの発注方式

責任施工方式

  • 元請けが設計・施工・監理を一括
  • 小規模マンションで多い
  • 管理組合へ直接提案

設計監理方式

  • 設計事務所が設計・監理
  • 中〜大規模で多い
  • 中立的な監理で品質確保

管理会社主導方式

  • 管理会社が選定を主導
  • 修繕計画も管理会社が立案
  • 取引関係が情報源に

方式によって営業相手と提案の力点が変わる

責任施工方式は、元請け業者が設計・施工・監理を一括で担う方式です。業者選定が比較的シンプルで、小規模マンションで採用されやすく、管理組合に対して自社が直接提案します。

設計監理方式は、設計事務所が設計と工事監理を担い、施工は別の業者が行う方式です。中〜大規模マンションで採用されやすく、専門家による中立的な監理が入るため工事品質を確保しやすいのが特徴です。施工者として参入するには、設計事務所が示す仕様に沿った正確な見積が求められます。

管理会社主導方式は、管理会社が修繕計画の立案と施工業者の選定を主導する方式です。管理会社との取引関係があれば、案件情報が入りやすくなります。

合意形成の特殊性を理解する

大規模修繕の受注活動でまず押さえるべきは、個人向けとは異なる合意形成プロセスです。

図2 大規模修繕の合意形成プロセス

長期修繕計画

管理組合が策定

委員会で検討

理事会・修繕委員会

複数業者の比較

提案・見積の検討

総会決議

区分所有者が決定

工事実施

居住者への配慮が必須

検討メンバーの専門知識にはばらつきがある前提で提案する

大規模修繕の実施は、管理組合の総会で区分所有者の決議を経て決定されます。具体的な検討は理事会や、修繕のために設けられる修繕委員会が担いますが、メンバーは区分所有者の中から選出されるため、建築の専門知識のレベルにはばらつきがあります。

専門用語を並べた説明では判断材料にならないことを前提に、写真や図を使った分かりやすい提案を心がけましょう。たとえば「シーリングの打ち替え」なら、「外壁の継ぎ目を埋めている防水材を新しいものに入れ替える工事」のように、暮らしの言葉に置き換えて説明します。

また、複数業者が提案・見積を行い、その中から比較検討で選定されるのが一般的です。他社との違いがひと目で伝わる提案書と、選定の場を想定したプレゼンの準備が欠かせません。

受注までの営業プロセス

情報源の確保が出発点です。修繕計画が進んでいるマンションの情報を早期につかむには、管理会社・設計事務所・マンション管理士・コンサルタントとの関係、既存顧客からの紹介といった経路を日頃から整えておく必要があります。

提案書は、施主様個人向けの資料と異なり、複数の区分所有者に回覧・配布されることを前提にした書式が求められます。工事範囲の明示、工法・使用材料の説明、工期・スケジュール、品質管理体制、実績・会社紹介を、初めて読む人にも伝わる構成でまとめます。

工事範囲は「どこを直し、どこは今回直さないのか」まで示しておくと、後の認識違いを防げます。誰が読んでも同じ理解に至る資料であることが、合意形成の助けになります。

プレゼンテーションの主な場面は総会や説明会です。専門用語を使いすぎず、区分所有者が理解できる表現で説明する力が求められます。質疑応答では住まいへの不安が率直にぶつけられるため、その場で誠実に答える姿勢そのものが評価につながります。

工事期間中の対応とリスク管理

大規模修繕は、居住者が生活しているなかで長期間続く工事です。工事日程の事前告知、騒音・振動への配慮、足場や養生による生活への影響の最小化、居住者からの問い合わせ対応といった生活面への気配りが、工事品質と同じくらい評価を左右します。

たとえば、足場がベランダにかかる期間の告知が遅れると、「洗濯物はどうすればよいのか」という不満が管理組合に集中し、工事全体への不信感に発展しかねません。

生活に影響が出る作業は、時期と代替手段をセットで早めに知らせるのが基本です。現場管理では、定期的な進捗報告、安全管理、近隣への配慮、工事記録の徹底が信頼の土台になります。

特有のリスクも押さえておきましょう。天候や居住者からの要望、隠蔽部分の追加工事などによる工期の延長、足場設置後に発見される劣化箇所への追加対応、そして長期の工事期間中の管理組合との関係悪化です。

とくに追加工事は、金額と範囲を曖昧にしたまま進めると不信感に直結します。発見した時点で写真と見積を添えて説明し、承認を得てから着手する運用を徹底しましょう。小さなトラブルの積み重ねが全体の評価を損なうため、問題は小さいうちに報告して対処するのが原則です。

アフター対応で次回修繕につなげる

工事完了後は、1年点検・5年点検といった定期点検を設定し、工事品質を長期的に担保します。大規模修繕は周期的に実施されるため、今回の工事が良い評価を得られれば、次回の修繕でも声がかかる可能性があります。点検のたびに建物の状態を報告し、管理組合との関係を保ち続けることが、次回受注への布石になります。

まとめ

マンション大規模修繕は、長期修繕計画に基づく実施、3つの発注方式、総会決議という合意形成、居住者への配慮が必要な長期工事といった特殊性を持つ事業領域です。

参入には、管理会社や設計事務所といった情報源の確保、区分所有者に伝わる提案書とプレゼン、長期の現場管理体制の整備が欠かせません。個人向けリフォームとの違いを正しく理解して体制を整えれば、周期的な工事需要が見込めるこの市場を、事業の柱の一つに育てられます。

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大規模修繕では複数業者の提案が並べて検討されるため、内訳の明確さが評価を左右します。イエプロは項目別の見積書とあわせて原価表も自動生成でき、金額の根拠を保ったまま提出用の資料を整えられます。工事種別ごとの出力にも対応しているので、委員会での検討にも合わせやすくなります。

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